メッセージ

cropped-Poto4.jpg 人間は内省によって自己成長します。CoReCo研究所は、社会貢献を目指して、人間を尊重する対話により内省促進を支援するサービスの提供と、同じく人間尊重のAIによるカウンセリングの研究推進のために設立しました。

前者のサービス提供の背景には、近年、労働者を取り巻く仕事環境はストレスフルであり、6割を超える人々が何らかの心的課題を抱えていると言われていることがあります。 私は、通信会社へ入社以来、約30年間、多様なプロジェクトに従事してきました。プロジェクトという仕事は強いストレスがつきまといます。その後、現在に至る十数年間は、これらの経験をベースに、シニアシステムカウンセラとして、プロジェクトのリーダなどを対象に、抱える課題の解決を支援する相談業務の活動をしてきました。この活動では、プロジェクトを成功に導くためにプロジェクトの参加者の精神的健全を維持、すなわち心的課題の発現予防と心の健康促進支援を目指しています。そこでは、プロジェクトで活動する方々の話を徹底して聴く、すなわちカウンセリングスタイルを採用しています。回答や解決方法を提示する方法では、提示された本人がその方法を実行に結びつけることが少ないと気づいたからです。結果として五百人を超えるリーダやメンバと面談を続けてきました。この活動を通して、傾聴の大切さとその効果の素晴らしさを体験しました。この活動を広めるため、体験結果を「働く現場を元気にする聴く力」として出版しました。これらの蓄積した経験・知識を発揮したサービスの提供は大いに社会に役立つと考えました。

後者の研究推進は、心理学的研究と工学的研究の分野に跨ります。上記の相談業務を通して得られた本人の内省促進やその内省促進を支援する「聴く力(傾聴)」の有効性を心理学的研究で明確に提示できないか。非常に精神的な負担の大きいカウンセリング業務、その業務を実施できるカウンセラーの人数も不足しているという状況をふまえて、工学的研究であるAIを利用して代替できないか。そこで、心理学的研究では内省促進の有効性を明確にする一つとして、プロジェクトリーダなどのスキルと内省と関係を定量的に示す研究を行ってきました。工学的研究ではカウンセラーの対話を代替するAIシステムとして、内省促進を支援するカウンセリングエージェント(CRECA)の研究してきました。これらの研究をすすめ、社会に役立たせることは、社会貢献に繋がると考えました。

今後、CoReCo研究所にて、引き続き、これら二つの活動により社会貢献を進めるていきたいと考えています。

2016年5月 自宅(西東京市)にて
篠崎 哲雄